MOON. RENEWAL
発売元:タクティクス
発売日:1998年8月21日
記入日:2002年3月3日

 このゲーム……実は97年の作品です。(元版の方)
 良いという話は聞いていたのですが、やるタイミングを逃していて、積みゲーと化していました。
 でも、前に手に入れていたMIDIデータに素晴らしい曲があったので、一変原盤も聴いてみたいなと思っていたのです。私は、
ゲームをするまでは曲を聴かないという、妙なこだわりを持っていますので……。
 というわけで、このところ時間にある程度余裕がある……そのわりには、あまり集中してゲームをしたくない訳があったので、軽い気持ちでできるゲームという事で始めてみました。

 軽く内容に触れます。
 謎の宗教団体『FARGO』。そこに属する主人公天沢郁未の母が6年ぶりに帰ってきた。しかし、待ちわびた母の帰還もつかの間、彼女は何物かに殺されてしまう。そこには一体何があるのか? 真実を知るために郁未は『FARGO』施設に信者として乗り込み、そこで出合った仲間たちと共に探索を始めるのだが……。

 では、まずは恒例のシステム虐め……といいたいところですが、その前に。
 今回は、いつも使っているデスクトップではなく、サブで持っているノートを使用してのプレイでした。というのは、このゲームは
WIN2000では動かないのです。調べたところ、つい最近の新作まで動かないようです。
 ノートは動きも遅く(私のノートはMMX200です)、操作性にも欠けるので、ちょっとその辺で評価に変化があるかもしれませんね。
 なお、2000ではインストール時に障害が出ますが、
98等にインストールしたデータをフォルダごと2000に持ってくれば動くには動くようです。しかし、システム自体のハングアップも一度確認しているのであまりお勧めは出来ませんね。
 では、本題に入りましょう。
 このゲームは選択肢分岐型のゲームかと思いきや、実は
途中でマップ移動のシーンがあります。こういうタイプのアドベンチャーゲームはテンポが悪くなる傾向があり、やり直しには弱いのではと危惧していたのですが、それは私の勘違いでした。
 このゲーム、マルチエンド形式と思っていたのですが、ゲームオーバーのある
一本道のゲームだったのです。(^^;)。
 どうも、ダーク系となるとマルチエンディングのイメージがあって……。それならば、時間の掛かるマップ移動画面も納得ですね。
 それはともかく、目に付いた点を挙げます。それは、
プレイヤーが全てを見られるように、ヒントがある事です。
 別段、ヒントのあるゲームを見たのが初めてというわけではないのですが、このゲームの場合、
クリア後のおまけで、見ていないCGを見るヒントまでくれるのです。やっぱりお金を出した手前、その全てを見たいといった方のためにこういう機能はほんとありがたいですよね。
 その他には、特に気になったところはありませんでした。元々、一度発売された後にシステムを改良したゲームなので、操作的に不具合のあった箇所は直されているみたいですね。

 次にグラフィック。
 まあ、もう見慣れたというのが第一印象でしょうか? この人の絵は他作で何度も見ているので、特に抵抗も感じず見る事が出来ました。
 個人的には、
後作のONEよりも、いいと思うのですがなぜでしょうか?

 そしてサウンド……これが、私が一番期待していたものだったのですが、思ったよりも普通でした。よくMIDIデータ化されていた曲はさすがにいい出来なのですが、それ以外は繰り返しものが多く、特に印象に残ったものはありませんでした。
 まあ、ゲーム内容の関係上、私の好きな寂しい系の曲というより、暗い系の曲が多かった関係もあると思いますが……。
 でも、何曲かはありましたよ。「閉じこめた記憶」、「鹿沼葉子」、「陽のさす場所」あたりでしょうか。ピアノ曲っていいですよね。
 それと、おまけトラックに入っている曲も何故か好きです。
 そして、このゲームをやるきっかけになった
スタッフロールの「憂い」。他の曲と全然違う感じの曲ですが、凄く乗りがいいです。先に、ネットに転がっていたMIDIデータで聴いていて、それも凄い出来でしたが、やっぱりオリジナルもいいですね。

 それでは、総評です。
 終わらして見ての感想は、さすがに後にONEという名作を出すだけあって、練らないといけないところはしっかりと練られていました。友達が前から「良い」とは言っていたのですが、なるほど納得ですよ。準主役とも言える由依と晴香のエピソードも良く、決して最後だけが良いというようなものではないですね。切ないシーンはとことん切なく、後半の引っ張り方も、終わりそうで終わらないところは見事でした。
 最後の方は、結構食入ってプレイしましたしね。
 さすがに内容が内容なので、笑いは期待できませんが(なんでも、シナリオ担当に笑い禁止令がでていたとか……)、切ない物語が好きというのなら、今でもやる価値は充分にあると思います。だた、結構ダークなので、切ないけどあまりにも暗いのはちょっと……という人は敬遠するかもしれませんね。
 しかしながら、キャラクターも結構魅力的なので、中古ショップで見かけたら、購入を検討してみるのもいいかもしれませんよ。プレイ時間もそんなに長くないですしね。

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