いちょうの舞う頃のネタバレコーナー

 今回、ゲームのプレイ間隔が異常に開いてしまうことが多く、特にこのネタバレコーナーはゲーム終了後1ヶ月近い後に書いているので、記憶があやふやで、ちゃんとしたものが書けるか心配です。
 余談はこの辺にして、攻略した順にシナリオの感想を述べましょうか。

若月みやこ
 一番地味そうなキャラクターだったので、とりあえず最初にプレイしてみました。まあ、思った通りのキャラクターというか…。
 このシナリオの面白いところは、みやこよりも脇役の方がいい味だしているんじゃないかと思えるところ。特にみやことクラスメートのやりとりなんか最高ですね。
 まあ、このシナリオの盛り上げ場面、みやこの父親が電話に出てくるところは、なかなかにうまいと思います。ひょっとすると電話でも掛かって来るんじゃないかと思ったところに、みやこではなく友美から電話が入るところなんか、引っ張り方としては上出来なんじゃないでしょうか? みやこの父親も、ただ嫌味なキャラクターではなくて、後でちゃんとフォローが入っているところがポイント。これを忘れると、シナリオの後味が悪くなるので、これは正解でしょう。

綾瀬杏子
 外見から冷たそうな印象のある杏子ですが、まったくそんなことありませんでしたね。
 このシナリオの特徴は、上級生シナリオに入った後も、千枝を使い続けたところでしょうか。普通、分岐のために使われたキャラクターって、後には登場しないことが多いんですが…。
 しっかし、杏子の家に行こうとしたところで、まことを出したのには驚きましたよ。その後、勝典にフォローを入れさせたのも見事ですね。それで納得いったのは、勝典のキャラクターにまったく嫌味がないからでしょう。
 そこまで、やったのだから、千枝とはやっぱり仲直りして欲しかったな。みやこを使うとかしてね。

松山千枝
 どのシナリオでも出てくる、とにかくインパクトの強いキャラクター。こういうタイプは、キャラクターとしては好きだが、シナリオの方は…というパターンが多いのですが…。
 内容の方は、とにかく千枝の苦悩が見え隠れしていじらしいというか何というか…。中盤にあった「その優しさが、苦しい人もいるんだよ」という台詞が印象深いですね。
 それよりも強烈なのは、千枝の部屋に乗り込んで来て啖呵を切るみやこ。先にみやこシナリオをやっていたので、これは結構堪えました。

吉沢まこと
 むっとした表情がとっても可愛いまこと。幼なじみという関係上、劇的な出会いもなく、前半何気なしに進んでしまったのは致し方のないことなのでしょうか?
 このシナリオでは、杏子の本性(?)が見られますね。強引に弁当を食わせようとするシーンなんかね。(笑)
 まあ、シナリオの方は特に問題ないですね。ありがちといってしまえばそれまでかも知れませんが、友美と一緒に緑の宝石を捜すシーンなんていいじゃないですか。
 そう言えば、このシナリオは友美がいいところ持っていっているなあ。きっちりとまことと大澤の居場所を聞いていたりね。
 ところで、この大澤ってキャラクターは不遇だなあ。せっかく告白までしたのに、バッドエンドでまことが結婚した相手は山田だし…。学校にいるときも制服着せてくれなくて、なんか制作者側にも見捨てられているような。(笑)
 そういえば、そのバッドエンドで主人公が結婚した相手の佐織って、やっぱり冒頭に出てきたクラスメートのさおりちゃんなんだろうな。個人的には、つぐみちゃんじゃないのが残念だ。(笑)

 キャラ別につらつらと書いたが、やっぱりこのゲームの面白さっていうのは、本筋とは直接関係なさそうなところにも手を抜いていないところでしょうね。ちくわネタやみやこシナリオの千枝VS友美。笑えるネタだけじゃなくて、父親の命日に温子が父親のことを語り出すところや、お昼ご飯を食べてもらえなくて泣いている友美といった真剣なものも。
 良いゲームと悪いゲームの違うところって、この辺をしっかりしているかどうかなんだよね。その辺をしっかり押さえた上に、シナリオにも磨きを掛けたこの作品は、充分に名作と呼べるものだと思うのですが、どうでしょうか?

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