光を… |
ちょっと古いゲームですね。だいぶ前に購入しておきながら、机の下に眠っていたゲームの一つです。 発売からだいぶ経っているということで、評価も良く耳に入ってきますが、大体高い評価を受けているようで、プレイ前の私の期待度も結構大きかったですね。 このゲームといえばまず目を引くのが設定です。盲目といえばONEの川名みさきがギャルゲーでは有名ですが、このゲームは主人公。ヒロインとなる女の子の外見は、はじめは主人公の想像ですが、後半になれば目が見えるようになり、本当の姿が見れるとのこと。この一風変わった設定が、購入のきっかけとなりました。それ以外はほとんど内容をチェックせずで、どのぐらいチェックしてなったかというと、このゲームがボイス入りだと知ったのが、実際にプレイしてからだったというほどでした。 ゲーム内容を説明しましょう。主人公鮎川秀人は、4年前の交通事故で視力を失った少年。唯一の肉親である義妹の鮎川真奈に支えられながら生きてきた彼が、高校へ進学した日から物語りが始まる。 そこで出会った個性派の面々。猫のみしぇーるといつも一緒の、年下みたいな明るい先輩氷川みるく。いつも謎の音と共に登場する元気な格闘娘鳴瀬美桜。亡き母親と同じイメージを持ち、おっとりとした喋り方に特徴がある保健医天野皐月。数年前に引っ越しで別れ、秀人の失明を知らぬまま戻ってきた幼馴染結城まどか。そして、すべてが謎の少女水無月紫音。 キャラクターの設定だけでも、面白そうな匂いのするゲームですね。 さて、評価の方に参りましょう。 まずは、最近評価項目に値するようになってきたパッケージと内容物にしましょう。綺麗なんだけど、ちょっと手にとるのが恥ずかしいパッケージイラストは個人的にはマイナスポイント。シナリオ重視のゲームなんだから、別にHゲー(敢えてこの場ではギャルゲーとは言わない)であることを強調するようなイラストはいらないと思いますね。 中に入っている物といえば説明書。キャラクターの設定がしっかりと書かれていて好感が持てますね。しかし、裏面のデジカードの見本写真は、ゲームのネタバレですね。メーカーがネタばらしてどうするんでしょうか?? そのデジカード…付属物としては面白いと思うのですが、せっかくだったらもっと変わったデータを入れて欲しかったですね。ゲーム持っているのに、別にデモが見たいと思わないですしね。例えば、声優さんを使ったおまけトークとか…。 ちょっと辛辣でしたでしょうか? ちなみに、私のパッケージには美桜のデジカードが入っていました。 ゲームシステムの方に入ります。このゲームは抑えるべきところはしっかり抑えてありますね。メッセージのスキップ機能がしっかりしているので、やり直しが全然苦になりませんでした。 その他のシステム面といえば、このゲームでは音に非常に凝ってますね。「近くの街道を走っている車の音が遠くから聞えてくる」というメッセージの後に、ちゃんと車が走る音を入れたり、お茶を呑む場面では「ずずっ」とさりげなく。案外こういうところにこだわっているゲームって少ないんですよね。 その割には、キャラクターボイスは中途半端にしか入りませんが。(苦笑) 個人的に残念なのは、ゲーム中にタスクを切り替えた時の処理。このゲームは音楽をWAVEで鳴らしているのですが、メモを取ろうと思ってタスクを切り替えると、音楽がとまる。そういえば「ゆきのかなた」もWAVEを使っている時はこの現象が起きたのですが…。これって、結構興ざめするんですよね。 それと、全画面表示をしている時にタスクを切り替えると、タスクを元に戻した時にウインドウ表示モードに戻ってしまうこと。まあ、他のゲームと違って、キーボードで素早く全画面表示に切り替えれるので、これは良しとしましょう。 次に、グラフィック面の評価をします。 原画を書かれている方は、私は知らないのですが結構有名な人らしいですね。個人的には、可もなく不可もなくといったところでしょうか。 驚いたのはデザインされたキャラクターの数でしょうか。攻略できるキャラが6人で、想像上の外見と実際の外見で12人分、それだけでも結構多いのに、台詞だけで本来済まされそうな担任や他の生徒など、立ちグラフィックの出るキャラクターの数が20を超える。ここまであるゲームはあまりないでしょう。しかしながら、その立ちグラフィックのパターンに乏しく、キャラクターの感情と表情が合っていないと感じたのは残念ですね。 キャラクターを除いた背景には、特に何も感じませんでした。デスクトップの背景に貼り込みたくなるような美しさは、なかったと思います。 音楽面も高評価という訳ではないですね。贅沢な音の使い方をしているわけでもないし、かといって心に残るメロディでもないので…。一応気にいったタイトルは、木琴らしき音と猫の鳴き声が妙に耳に残る「超天然猫娘」と、エンディング歌でゲームタイトルと同じ名前の「光を…」です。 …さて、シナリオを含むゲームの評価に行きましょう。 設定から考えて、もうちょっと重いものを予想していたのですが、案外ライト感覚のゲームですね。どちらかといえば「面白い」と評せるキャラクターを多めに用意したことで、うまくバランスが取られているようです。 それと…これはゲームの設定が勝っているとでもいうのでしょうか? 目が見えないので、メッセージから実際に何が起こっているのかをプレイヤーが想像させられる場面が何度かあり、軽く盲目状態の疑似体験をやっているような気分になりました。(もちろん、実際とは訳が違いますが) 他のゲームにはない面白さだと思います。 ゲームシナリオ自体も、ボリューム的に多少の不満はあるものの、結構美しいシチュエーションが用意されていたのではないでしょうか。特に、プレイヤーを物語に引き込ませるメッセージ使いがうまく、気が付けばディスプレイに釘付けになってメッセージを読み砕いていることが何度かありました。この点で、一般他者ゲーから抜けているのではないかと思います。ゲーム難度もこちら側でコントロールできる程度で、メッセージスキップに関するシステム類もしっかりしているので、物語に集中できたものよかったですね。 ただ、残念なのは見た目…つまり、グラフィックとサウンドのレベルに抜き出たものがないところ。これで結構損しているのではないでしょうか? あと、もっとキャラクターの魅力をあげるためにも、無意味にでもいいからイベント数を増やした方が良いのではないでしょうか? ゲームボリューム的にも、もう少し長い方がいいと思いますね。 しかしながら、簡単そうで難しい、物語を見せる技術を既に持っているようなので、練りこみさえすれば今後もっと良いゲームを作っていくのではないかと思います。 今後のLILIMには、かなり期待できそうですよ。 |
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