鈴がうたう日のネタバレコーナー

 今回は部分的ながらも感想を書きながらプレイしていたので、比較的まともなものが書けるんじゃないかと思います。
 いつものように、攻略した順番から…ではなく、最初に脇役から色々感想を書いてみましょう。(一番最後にごちゃごちゃしたものを書くのは好きではないので…。

脇役
 最初にいきなり灰汁の強い顔を見せて、「本当にこのゲームは面白いのだろうか」と私を不安がらせた岡田。もっとおじゃま虫的存在になると思っていたんだけど、七海との勝負に負けると妙に素直だったり、金魚を無償で上げたりと、結構まともなキャラクターだったな。しかし、手料理をしようと意気込む裕児にちょっかいを出したいがために、宅配ピザを注文するとは…。
 もう一人の仲間の佐久間って、なんか気の利いたお姉さんって感じ。妙に悟っているところがあって、特にすずシナリオでは大活躍。決して熱くならないところがいいですね。しかし、頭も良さそうなのに、どうして予備校生活なんかしているんでしょう? ちょっと気になりますね。
 紫姉は出番こそ少ないけれど、七海シナリオではなくてはならない存在…というより、それのために存在していたんじゃないかと思えるほど、あの難しいシナリオをうまくまとめる役になっていました。
 シナリオをまとめるための脇役の使い方、本当にうまいですよね。
 おまけですが、大森の裕児と一緒にいるときの七海がいいと言う台詞も気に入っています。

月城蛍
 話を進めれば進めるほど、第一印象と違った面を見せるキャラクター。温泉にわざわざお盆とお銚子を持ってきたり、裕児の着ているシャツを喜んで持って帰ったり、一人で砂場で遊んでいたりと、おおよその行動が一般人の常識行動パターンから外れていて、イベントの度に楽しませてくれました。
 天然ボケシリーズでは、光るものネタがやっぱり最強でしょうか? (笑)
 しかし、これだけぼけぼけっとしていたにもかかわらず、エンディングの方はすごいの一言。特に、蛍が父親のことを回想するシーンは、何も言わず読んでくれって感じですね。気合いの入り方がすごい。とにかく回想シーンでここまで引っ張るのは初めて見ました。反則技を使わないエンディングでは、個人的には過去最高ですね。(ちなみに、私の言う反則技とは、実際にはあり得ない非常識な話を使って涙を誘う、ONEみたいな物語のことです。別にそれ自体が嫌いなわけではありません)
 しかし、蛍のキャラクターからして、こんな展開が待ち受けているとは思えませんでした。蛍が母親を叩くシーン、そして大好きな裕児を捨てた理由。ホワイトアウトものですね。これほどまでに主人公を好きになった理由を明確に表現したシナリオは、これが初めてではないでしょうか。
 最後に。蛍の居場所は安直だとは思いますが、でも、そこを外すわけには絶対に行かないでしょう。あれは、マニュアルに基づいた技法です。(本当か?)

新条七海
 とにかく身長が低いことを裕児にからかわれるシーンが印象深いですね。前半で印象に残っているのは、小学生に間違われるところ、子供用の切符を買ったところを裕児達に見つかったところですね。あと、他人のパラソルにしがみついて抵抗するシーンも、想像すると笑えますね。
 しっかし、13日に七海を待っている間、裕児が計画内容を再確認するシーン。あれ、音楽を消すあたりが実にうまいですね。そこまで盛り上げておいて、見事に落とす。さすがは関西のメーカー。しかも、そのあとすぐにいい場面に持っていく所なんか絶妙って感じ。あれ、七海のこの時点での最高の好きの表現なんでしょうね。
 えっと、エンディングですが、このあまりにも意外なすずと七海の関係。とにかく長いです。てっきり、七海と仲直りして終わりだと思ったし、それで充分と思った後のあの展開ですから、開いた口がまったく塞がりませんでした。あの、本当のすずを見た後の、「どうして、あんたもそんなに辛そうな顔でそんな事言うのよ」と言う七海の台詞に、マジで数秒間止まってしまいました。しかし、紫姉を使って、この難しいシナリオをよくまとめたよなあ。最高の友達であるすずを差し置いて幸せになれないと言う七海の気持ちも良く伝わってきました。

神楽千代
 隠しキャラですが、あまりこう言うのは好きじゃありません。好きじゃない理由をここであまり語ることはしませんが…。(また、別コーナーにでも書きましょう)
 前半はただ何気なく。特に気になったシーンがあるわけでもなく、ただ奇妙な裕児とのやりとりが続きました。あえて気になったシーンを上げるなら、千代がゴミに対するこだわりを見せるところでしょうか。
 しかし、エンディングのあのピカ○ュウのかぶりものをつけていない千代って完全に別人ですね。でも、千代が憧れた医者というのが、嫌味のない良識人だったところはさすがだと思います。
 でも、全画面グラフィックとが少なかったのは、やっぱりおまけだったのでしょう。シナリオの方も、主人公が医者という職業に関係があるのだから、うまく使えばもっといいものに仕上がったんじゃないかと思います。

すず
 「〜だよ」と言うしゃべり方が可愛いですね。是非、音声で聞きたいです。
 とりあえず思うことが、正体不明のキャラクター。服を着ると前後ろ反対。掃除をすると鉛筆や稲造を吸い込んだり、冷房と暖房を間違えて入れたり。と思ったら、予備校で講師の質問に答えたり、天才的なゲームの腕前を見せたりと…。まあ、蛍とは逆で第一印象通りの暴れっぷりでした。(笑)
 前半で気に入っているのは、料理を失敗して泣いているシーンですね。意識したのかどうかは知らないけれど、妙に短いのが逆にいいと思います。
 ヒロインだけあって、他のシナリオにも「いい子」役で登場しました。七海や隠しキャラの千代にまで。特に七海シナリオで、裕児から七海との出来事を聞いた後の「ななみんと、なかなおりしてね」という一言。あの台詞って後々考えると意味深ですよね。すずが、七海のことを「ななみん」と読んだのは、このときだけなんですよ。多分、七海が自分のことを忘れていることを察して、わざと別の呼び方をしてたんでしょう。
 そしてすず自身のエンディング。引っ張りまくって引っ張りまくって、最後の最後に意表を突いてくれました。ちゃんとエンディングテーマとシンクロしているところも素晴らしいです。そうだよね。あれだけ引っ張っておいて、中途半端なエンディングなんていらないですね。ここまで来ると、もうすずの正体なんてどうでも良くなってしまいました

 異様に長くなってしまいました。キャラクター数は少ないものの、その一つ一つの練り混み方は本当に見事で、ゲームバランスさえよければ本当に完璧だったと思います。ただ、本当に私見ですが、隠れキャラが最後に来てしまいかねない仕様というのはどうも…。特に、私はおいしいものを最後に残しておく主義なので。
 やっぱり、美しく見せて、それで終わろうじゃないですか。ね、タクティクスさん?

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