LUNATIC DAWN 4
発売元:アートディンク
発売日:99年11月26日
記入日:2000年4月6日

 珍しくも、ギャルゲー以外のものに手を出しました。しかも、ネットワーク対応ゲーム。お友達からの誘いがなければ、まずやる気にならないゲームですね。事実、誘われるまでこのゲームの存在を知りませんでした。1は数年前にやった記憶があるのですが。
 こういうタイプのゲームは、だいたい完全制覇するのに時間が掛かるもので、昔ならともかく、今の私には向いていないのですが、昔ウィザードリィにはまった人間としてはどちらかと言えば好きなタイプのゲームではあります。
 さて、このゲームは私の満足行くものだったのでしょうか?
 内容の紹介に行きましょう。いわゆるファンタジーRPGの王道を行くような、剣と魔法の世界が舞台のゲームです。
大まかなストーリーと言うものはなし。限られた寿命の中で、いかに冒険者としての道を歩むかがこのゲームの内容で、簡単な宅配の依頼をこなしたり、モンスター退治に出かけたり、異世界を巡ってアイテムを見つけたりしてキャラクターを成長させます。一応、冒険者を止めたときにエンディングを迎えるのですが、育成シミュレーションのように能力値によってエンディングが変わるわけではなく、プレイヤーの行動により変化する、いわゆるマルチエンディングになっています。当然、キャラクターを育てることを目的としたゲームだけあって、アイテム数や隠し要素は尋常なものではなく、存分に楽しめるものになっています。
 システム群を見てみましょうか?
 ゲーム自体は、上から見下ろしたタイプのリアルタイムアクションRPGです。しかし、アクションと言っても、操作よりもキャラクターの能力の方が重要な程度のもので、アクションが苦手という人でも大して苦労することはないでしょう。ただ、マウスでクリックした地点に自動で移動するという操作系のせいか、小回りを利かせようとするとこの
自動が邪魔になって、上手く移動できずにいらいらすることが多かったような気がします。キャラクターの移動ぐらい、カーソルキーにも対応していても良かったんじゃないでしょうか?
 ゲームの動き自体も、なんとなしにカクカクしていたのも気になります。(私の友達はネット上で上手く同期を取るためなんじゃないかと言っていたが)
 ファンクションキーを使ったアイテム使用のショートカットも、色々触っているうちにファンクションキーで使えるアイテムが
知らない間に違うものに変わっていて、貴重なアイテムを間違って使うことが何度もありました。
 なんか、いろいろ書いたような気がしますが、ようするにあまり良いシステムでないと言うことですね。独自のものを作ろうという意図はわかるのですが…。
 あと、
不正処理で落ちてしまうことも多かったですね。貴重なアイテムを手に入れた後や、ネットプレイで盛り上がっている最中に落ちてしまうと興ざめしますね。一緒にネットプレイしていた人が、何度も入ってきては消え、入っては消えを繰り返していたのを思い出します。
 そのネットプレイについてちょっと説明しましょう。このゲームは各プレイヤー毎に自動生成による独自の世界(ホームワールド)があるのですが、このホームワールドを「解放」する事によって、アートディンクのサーバーを介して他のプレイヤーがホームワールドに入ってこれるようになるというシステムを取っています。特にサーバー使用料とかを取られないので、
電話代とプロバイダ使用料だけでネットプレイを存分に楽しめるというのは素晴らしいと思います。
 ただ、このネットプレイ自体には大きな不満があります。それは後述しましょう。
 グラフィックですが、まあ、ほとんどイベントグラフィックがないゲームで評価するのもなんですが、マップが自動作成されるという特性上緻密な書き込みが出来ないにも関わらず、そこそこの綺麗さを出していたんじゃないかと思います。
 サウンドはWAVEですが、
どこにでもあるような、印象に薄い曲ばかりですね。特に気に入らない点は、戦闘モードに切り替えると変わる音楽があまり良くないこと。それが理由で、地上ではあまり戦闘モードに切り替えないようにしていたほどです。
 こういう、話の展開が望めないだらだらしたゲームは、こういったところに力を入れて欲しいですね。精霊世界や信仰世界は、すべて曲が違うとか…。
 総合的な評価に行きましょう。
 難易度ですが、はっきり言ってそれなりに強くしようと思えば相当の根気がいります。私では精霊世界で何とか生き延びれる程度の強さにしかできなかったのですが、ネットプレイができるという特性上、簡単にキャラクターを強くできてしまっては面白くないので、
だいたいこのぐらいがベストなんだと思います。
 ただ、このゲームを根気よく続けてキャラクターを強くすることにどれだけの魅力があるのか、甚だ疑問です。「神になる」などのまともなエンディングを見るためと言うのならわかりますが、それなら他のRPGやっていた方が楽しいと思います。だったら、他のゲームにない魅力、「ネットプレイ」に目を付けるところでしょうが、残念ながら、
このゲームのネットプレイ、はっきり言ってやることがない
 だいたい絞ってみると、「アイテム交換」「レベル上げ」「大ダンジョン探索」「リンクゲートダンジョン攻略」の4つしかない。しかも、「レベル上げ」はある程度上がってしまうと、ネット上では非効率になってしまうし、「大ダンジョン探索」もホームワールド上で手に入るアイテムなんてたかが知れている。(このゲームは、イベント世界に行かないと良いアイテムが手に入らない) リンクゲートダンジョン攻略は上級者のみに許される娯楽で、とてもじゃないが1週間の総プレイ時間が10時間足らずの私が育てた軟弱キャラでは話にならない。しかも、攻略したことによる報酬は何もなしじゃあ、参加する気にもならない。
 結果、
どこに行っても、「アイテム交換」しかしていない。事実、私がよそのホームワールドに行ったときは、たいていがアイテム交換市を開いていた。これでは面白くない。
 もし、
信仰世界などのイベント世界を多人数で冒険できたら…。数人掛かりでバイドゥラークやアンゴルモアに挑戦できたら…。ネットプレイでしか見れないエンディングがあったなら…。テレホタイムフルに使ってでもやっていたかも知れませんね。最高じゃないですか! 数人掛かりでやっとの思いで見るエンディング。数年前にアーケードで4人同時にプレイできるアクションゲームがあったが、このゲームのために週末になると友達数人集まってやり込んだのを思い出します。友達同士で1つのゲームを攻略する楽しみは、一人でやるときの数倍以上です。
 このゲームを作るに当たっての最大の失敗は、とにかくネットプレイが中途半端なままで完成させてしまったこと。ネットプレイでしか手に入らないアイテムが沢山あるとか、(他のホームワールドから来たキャラが2人以上いないと開かないダンジョンの扉があったり) 複数人数じゃないと絶対に倒せないモンスターがいるとか…。(例えば、対極の攻撃魔法…マグフラムとマグニシル等を同時に浴びせないとダメージを受けない) もし、そのモンスターがネットエンドに噛んでいたら、絶対に燃えていたと思う。これぐらいのネットプレイの魅力があれば、ホームワールドで地道にキャラクターを強くすることにも飽きなかっただろう。
 ただ、これだけ批評していながら、私が2ヶ月以上もこのゲームで遊んでいたのは事実です。
キャラクターを育てる魅力はなかなかのもので、一度ゲームに入ると抜け出せない魔力を秘めていました。それに、育てたキャラで遊ぶ魅力をもっと増やせば、もっと素晴らしいゲームになるでしょう。
 もし、「5」を作るのなら、そういったゲームに仕上げて欲しいですね。


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