いちょうの舞う頃
発売元:Types
発売日:98年10月9日
記入日:99年6月3日


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パッケージ 実はこのゲーム、発売日には買いませんでした。いや、購入予定には入っていたのですが、なんとなしに買いそびれたままにしていたのです。しかし、某雑誌の評価が高かったので、とりあえずやってみたのですが…。
 やってみて、やっぱり発売当初にやっておくべきだったと後悔しました。文句なしに、いい出来です。
吉沢まこと 内容に触れましょう。よくある学園もので、ゲームシステムは選択肢によって先の展開が変わってくるビジュアルノベル形式。主人公はいちょう並木が美しい茜が丘にある「茜が丘学院」の2年生で、秋の色が濃くなっていく中、4人のヒロイン相手に切ない物語を広げていく、いわゆる純愛ものです。あまり無茶な設定とかはなく、他のゲームとかと比べると現実的な印象がありました。
 4人のヒロインの中にはなぜか同級生がいなくて、上級生2人と下級生2人に分かれています。このあたりがちょっと珍しいですね。
 評価の方を順番でして行きましょう。
若月みやこ まずはシステムですが、シンプルイズベストとでもいうべきでしょうか、特に気になったところはありませんでした。メッセージスキップの時に画面の切り替えがもっと早くならないかなとは思いましたが、そもそもメッセージスキップを多用するゲームではないので…。
 ゲームシステムとは直接関係ないのですが、このゲーム、CD2枚組で片側がわずか70メガ程度しかありません。少々音楽を削れば1枚に収まりそうですが、あえてそれをしなかったところがいいですね。
 その音楽ですが、全体的に落ち着いた良い感じの曲が揃っていました。若干メインとなる音が弱い曲があった気がしますが、ゲームを盛り上げるという点ならまったく問題なしですね。特にゲーム後半を盛り上げる数曲は、見事なものがありました。ゲームを10点評価するなら、多分これで2点はプラスされると思います。
 ただ、個人的に気に入っている曲は「小人さん」なんだけど…。
綾瀬杏子 グラフィックは、キャラデザは個人的趣味が入るので置いておくとして、背景についてですが、このところ取込背景ばかり見ていたので、久しぶりに綺麗に書き込んだ背景を見ると新鮮なものを感じました。ただ、なんか定規で引いたような綺麗さがあって、ちょっと自然味に欠けたように見えるのは気のせいでしょうか? 別に嫌というわけではないのですが。
松山千枝 最後にゲームそのものの評価です。話自体が読んでいて面白くて、一度やり始めると止まらない感じがしました。特に評価したいのは、脇役の使い方。妹の友美や母親、勝典などのグラフィックありのキャラクターの使い方がうまいのはともかくとして、つぐみちゃんを筆頭としたクラスメートや、まことのクラスメートであるまき、影でささやくみやこのクラスメートなど、グラフィックなしのキャラクターにも個性があって、おかげで「あってもなくても一緒」と思えるようなメッセージがない。このゲームの本当に良いところは、ここだと私は思っている。
 難易度は、選択肢は決して少なくはないけど、無難な選択をしていればまずミスはしないという、比較的低い難度のものです。「簡単だから、ゲームとして面白くない」というのじゃなくて、ゲームと物語のバランスを考えるのであれば、絶妙のバランスだったと思うのですが。
 肝心の物語の本筋もなかなかのもの。残念ながら「このシーンがツボにはまった」と言うのはありませんでしたが、ツボの付近ならいくらでも突いてくれました。
 このゲームがデビュー作というTypesですが、なかなかに隙を見せないゴールデンルーキーのようですよ。このゲーム、新作ともに、一度プレイしてみるのも良いのでは?

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