とびでばいん 発売元:アボガドパワーズ 発売日:2001年5月25日 記入日:2001年9月2日 |
高度な技術力で、他社にないクオリティのゲームを作る事で有名なアボガドパワーズが、ギャルゲーにしては珍しい「シューティング」というジャンルに挑戦しました。 このゲーム、実は同社のゲーム「D+VINE[LUV]」の外伝的ゲームに当たります。 というか、買うまで知りませんでした。(汗) 前作は未プレイでしたし、パソコンでアクションゲームなど、昔からパソコンでゲームやっている人間としては「どうせたかが知れている」程度でしたので、まったくのノーマークだったのです。 買った動機は、シューティング好きの友達の勧誘でした。 このゲームをやっている最中、ちょうど小説を書いていたので、気分転換ぐらいになればいいと思っていたのですが。結構はまってしまいましたよ。 前置きはこの辺にして、内容の説明に行きましょう。 といっても、前作をやっていないので説明書を元に簡潔に……。 前作から約半年。遺跡調査のためにアーヴィルの地を再び訪れた主人公達を待っていたのは、到着早々空中海賊たちの手による女性拉致事件に巻き込まれる事に。 本作の主人公サクラは、魔法のほうきと無敵の宝珠を手に、空中海賊から捕われた娘たちを奪還する事に挑むのだが……。 いきなりですがシューティングでは一番重要と思われるシステム面です。 私はある程度の性能のパソコンを使っているので、取り敢えずフレーム落ちなどはしていないようです。ですが、聞いた話によると低性能のパソコンでもそこそこ動くらしく、その辺は評価に値します。(未確認ですが) ……しかし、よく動きますね。 まあ、ゲーセンとかで稼動している派手な演出のゲームに比べれば、多少見劣りはするかもしれません。しかし、私にとってパソコンでここまで動くシューティングは脅威です。しかも、パソコンのディスプレイは綺麗で見やすいので、非常に好感が持てます。 アドベンチャーシーンの操作性もいいですね。ただ、アニメーションの有無設定はあった方が良かったと思います。ちびキャラのアニメーション自体は、見ていて楽しく凝っていて、評価をしたいのですが、同じ所を何回も行ったり来たりするタイプのゲームなので、たまに消したくなりますので……。 キーボードのキー一つで切り替える事ができたならなお良でしょう。それか、メッセージスキップかけたときはアニメがキャンセルされるとかでもいいですね。 このゲームのシステムで、目立ったところが一つ。システム自体が、スクリーンキャプチャーの機能を持っている事。残念ながらコピーライトが入るのですが、本当に消したい人は自分でキャプチャーを用意すればいいだけの事なので、OKでしょう。ただ、どこに保存されているかぐらいは説明書に記載して欲しいのですが……。 さて、システム関係は一旦この辺で置いておいて、グラフィックに入ります。 キャラクターデザインはかわいい系ですね。この辺は趣味の問題でしょうが、私は許容範囲内です。 シューティングシーンの背景グラフィックは……結構描きこんだ形跡がありますね。その割にはごちゃごちゃしているような感じがなく、案外弾は見やすいです。背景の色使い等のバランスがいいのかもしれません。 サウンドですが、これは個人的に高評価です。最近のゲームには珍しく、非常に覚えやすい曲の作り方をしています。ゲーム攻略中に関わらず、結構な数の曲を覚えてしまって、好感が持てました。 長時間に渡って聴いてもあまり疲れないという点も特徴の一つですね。やかましいようで意外とやかましくないんですよ。 特に、ボス曲2曲と、5面の曲はお気に入りです。 では、ゲーム全体の評価です。シューティングシーンとその他に分けて話をします。 先にその他の方です。ストーリーですが、私は初めにこのゲームの事を「D+VINE[LUV]の外伝的ゲーム」と述べました。が、やってみての感想は「続編」でしたね。登場人物のほとんどが前作に登場しているキャラクターで、一部話的にも前作と繋がっているところがあるので、D+VINE[LUV]をプレイしてからやったほうが絶対楽しめると思います。一部前作のネタバレみたいなものもありましたしね。両方興味があるのなら先にそちらをやるべきでしょう。 それ以外の点では……そうですね、このゲームは選択肢がないのですが、選択肢を入れてもう少し話の展開パターンを増やしてもかったんじゃないかと思います。シューティングシーンの長さの割には、案外アドベンチャーシーンが長いので、ただ各所を回ってマウスをクリックしてメッセージを読むだけの張りのないものになっているような気がします。その辺が少し残念ですね。 そして肝心かなめのシューティングシーンですが、この出来は見事だと思います。 全体的に、見た目は「コットン」、タイプ的には「ダライアス」って感じでしょうか システム面では、ルーンショットのリングシステムが面白いですね。このゲームの性質上、ボムはたくさん溜まるのですが、上位ランクの後半面の場合、ボムで回避するよりもリングでいかに雑魚を巻き込んで弾を減らすかが重要になってきます。せっかく変わったシステムを入れても全然使わなくて攻略できるゲームとかもありますので、このへんのゲームバランスはよく出来ていると思います。弾をかわしながらルーンを溜め、打ち込む……結構快感です。 ゲームバランスの話が出たところで、難易度の評価をしましょう。 だいたい自分やった感覚としては、ノーマルだとファミコンとかのオリジナルシューティング……つまり、誰でも遊べるレベル。ハードだとちょっとゲーセンでかじった人間が新規で始めるのにいい感じ。(逆に、シューティング経験者がノーマルでAVGモードをやると物足りないかも?) ヘルはゲーセンにあるゲームのレベルと同じぐらいじゃないでしょうか? もちろん、イージーはノーマルよりも更に簡単です。 私自身は昔からゲーセンに通っているものの、シューティングはあまり得意ではないので、ハードぐらいがちょうどいいようです。なお、このレビューはADVモードをヘルで、STGモードをハードでクリアしてから書いています。 ちゃんと初心者のことも上級者のことも考えているようです。 ……そろそろ纏めましょうか。 この業界では珍しい、強いて言うなら奇を狙ったジャンルですが、パソシューティングにありがちな、ただ意表を突いただけには終わっていませんね。私のように、コンシューマ機をいちいち引っ張り出してまでシューティングはやらないけど、普段からパソコンを起ち上げていて、ふと気が向いたときやりたいかなって人にはお勧めですね。特にSTGモードは時間的にも結構遊べます。 アボガドパワーズはこの業界の会社の割にはプログラミングの技術力が高いような気がします。幸い、このジャンルにユーザーもついて行っているらしくそこそこ人気もあるようなので、他社では出来ないようなジャンルを貫いて行って欲しいですね。最近のパソコンはパワーが高くなっているので、もっと面白いゲームが作れるでしょう。 これから大いに期待ですね。 |
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