ボクシング観戦記
2003年5月4日 明石産業交流センター
今日は恒例の駅前ボクシング観戦に行ってきました。前回の興行は知らずに見逃したので、今回はしっかりとチェック。もちろん、リングサイドチケットを購入したのですが、最前列なのはともかく一番角の席で、コーナーポストが邪魔で見難い場所でした。場合に寄っては、パンチの交換が見えない可能性もありますね。少し残念です。
★中野圭介(明石)×藤井理嘉(武蔵ヨシヤマ)
中野はどこにでもいそうな青年。ボクシンやっていると言われてもピンと来ないと思われる。対する藤井は前にも見た選手。茶髪で中心部分だけ黒いのが残っているのが特徴。
1R 中野が藤井を追う展開。互い左ジャブが良く出る。中野は左ボディー、藤井は左ジャブが有効。そのままラウンドが終わると思った終了間際、左に回ろうとした藤井を中野の右ストレートが捕らえ藤井ダウン。なんとか立ち上がったが構えることができずに藤井はテンカウントを聞いた。KOタイム2分51秒。
★竹ヶ鼻亮二(進光)×大橋純(JM加古川)
変わった名前の竹ヶ鼻に対する大橋は、1勝3敗と負けが込んでいる。そういえば、この選手も前にも見ているがその時も負けていたはずだ。頑張って欲しい。
1R 竹ヶ鼻を大橋が追う展開。後半右ストレートを当てた竹ヶ鼻がやや有利か?
2R 竹ヶ鼻の左フック、右ストレートが良く当たる。しかし、パンチ力がないのか大橋は効いた素振りなし。逆に終盤一発だけ当たった大橋のパンチに竹ヶ鼻が下がるシーンも見られた。
3R 竹ヶ鼻の右ストレートが何度も大橋を捕らえる。しかし、やはりといってはなんだが大橋は効いていないようだ。
4R やはり竹ヶ鼻有利の展開。大橋は最後の最後まで、有効打を与えることができないまま試合終了。一人が40−36のフルマークを記録するなどの大差判定で竹ヶ鼻が勝利を納めた。
★松浦光昭(タイガ)×村上了介(明石)
何故かすっ飛ばされた試合。訳の判らないまま次の試合に移り混乱したのだが、試合間の観客の話で選手の怪我が原因で試合が中止になったらしいということが判った。「アナウンサー説明したらんと、会場の人わからんやん」とその人は言っていたが、その事実が会場に知れ渡ったのは2試合後のラウンド間にようやく流れた場内アナウンスでのことだった。ちなみに怪我をしたのは村上のほう。昨日明石ボクシングクラブのサイトをチェックしたときは「軽量をパスした」としか書いていなかったので、恐らく試合直前に怪我したのでしょう。村上は運がない……。
★和田真也(明石)×岡田稔(武蔵ヨシヤマ)
デビュー戦の和田は「勢いで」ボクシングをはじめたらしい。そのコメントにはちょっと笑ってしまった。対する岡田は5戦5敗。ちょっと頑張って欲しい。
1R いきなり両者激しい動き。しかし、中盤和田の右フック、そしてさらに右フックが直撃し和田崩れ落ちる。しかし、ダウン後のダメージを見せずに岡田頑張る。
2R 岡田が連打でデビュー戦の和田を巻き込む。しかし中盤、ちょうど背中を向いていて何が当たったのか判らなかったのだが、突然岡田が両膝をついた。「スリップ」と騒ぐ周り尻目にカウントが始まる。岡田は立ちあがったが、その後の和田の連打により早々に試合ストップされた。2分13秒。
ちなみに、この連打も冒頭に書いたコーナーポストに隠れてほとんど見えませんでした。なんか、肝心なところを見逃してばかりですね……。
★森下貴司(明石)×内田輝雄(JM加古川)
内田選手はとてもボクシングなどしなさそうな朴訥とした顔つきなのですが……。
1R その内田がいきなり頭を低くして突っ込む。そして無茶苦茶な左右の連打に森下を巻き込んだ。しかし、パンチが当たるのは両方。デビューの森下。内田の連打に手を焼いている。
2R 頭が低い内田がラウンド早々2度目の注意。さらにもうひとつ注意を受けて減点をもらう。しかし、この連打はデビューの森下にはきついか? 頭を下げてなんとか堪えるシーンが目立ってきた。
3R 森下嫌になってきたのだろうか? 手数が少ない。しかし、内田のパンチも腰が入っているようには見えず、やっぱりコーナーには詰めるも倒すことは出来ない。
4R 両者のパンチが入る。開始すぐに森下のマウスピースが飛ぶがそのまま試合が進められた。同じような展開のまま試合が終了。
40−36、38−37で森下、38−37で内田のスプリット判定で森下が勝利を納めた。一人のジャッジがフルマークを示している通り、やはり腰の入っていないパンチをいくら打ってもポイントは稼げないのだろう。しかし、最後まで手を出し続けた内田の体力にはただただ脱帽。
ちなみに、帰宅後よくよく調べてみると、この内田という選手、昔に今現在日本ランカーの戎岡淳一を破っていたりするんですね。しかし、私が良く利用している関西系ボクシングサイトの情報には戦績どころかJM加古川の選手リストにも名前がない……。試合中の戦跡は「12戦2勝8敗」と聞こえたのですが。まったく謎な選手です。
★金井晶聡(姫路木下)×チョンダン・ソーロマヤノン(タイ)
本日一番期待している試合。8戦8勝8KOのパーフェクトレコードを誇り、去年の新人王西日本・同西軍代表・同全日本のMVPを総なめにした姫路木下期待の星。金井晶聡(かない・あきのり)が登場です。前にテレビで見たのですが、その時の試合は「槍」と称された右ストレート一本で相手をKOしていました。左を覚えると凄く面白い選手になりそうなのですが、今日はどうでしょうか?
金井入場。こうやって生で見ると、なかなかに人気の出そうな顔つきである。
1R 自分の印象と違ってちゃんと左を使う。左フックに左ボディー。特に左ボディーの打ち方はなかなか綺麗。右はフック中心だが、残り30秒で早い右ストレートがヒット、場内がにわかに騒ぐ。
2R やっぱり左ボディーは本物だった。中盤もの凄い音を立ててヒット。明らか効いて下がったソーロマヤノンを金井は執拗に攻めたてる。再び左ボディがヒットしてソーロマヤノン両手をついてダウン。立ちあがるもロープに詰め執拗にボディを繰り出す金井の攻撃にソーロマヤノン次第に手が出なくなり早々に試合がストップされた。
KOタイム1分57秒。これでデビュー以来9連続KO……右ストレートだけでないところを見せた金井。本当に強いです。
★足立浄(ハラダ)×古橋秀之(JM加古川)
足立はつい最近日本タイトルにも挑戦している強豪。古橋は日本ランキング再ランクインのためには落とせない試合だろう。私の隣で見ていた二人はどうやらこの足立の知り合いらしい。先程まで静かに見ていたのだが、急ににぎやかになり始めた。
1R 足立が古橋を追う。左ジャブで追い払おうとする古橋に対し、飛び込んでから強打を振るう足立の図式で試合が展開される。足立はパンチ力があるのだろう、ヒットした時の音が良い。
2R 足立のボディがいい。しかし、古橋も良いアッパーを一発入れる。だが、終了間際足立の良い右が入り古橋ぐらついた。
なお、この回足立はバッティングにより目を切ったとラウンド後アナウンスがあった。
3R 開始早々足立の左ボディーがものすごい音をたてて炸裂。中盤にも2度ヒットして古橋の動きが止まる。古橋も負けじとボディーで対抗するが、逆に2度ほどローブローの注意を受けた。
4R 中盤古橋が目をカット(これはヒッティング)して試合が止まる。しかし、再開後古橋反撃、アッパーとボディでコーナーに詰める。
5R 「ふるふる〜!!」の声援と共に試合開始。面白いように攻守が後退するスリリングなラウンド。アッパーを再三ヒットさせた古橋がやや優位に立ったか?
6R 両者とも良く手を出しているが、ヒットしているのは古橋の方。自分が押していると言う感触を感じ取ったのか、終了間際自ら前に出て連打を繰り出し、足立をコーナーに詰める。
7R 古橋が急にボクシングをしなくなった。ファイター張りに密着する古橋に足立も応戦。て両者ボディー応酬の展開になる。しかし、ボディー連打の中にアッパーを混ぜている古橋がやや優位に立っているような気がする。足立は得意な距離のはずなのだが、今一手数が少ない。
8R 体格で勝る古橋が足立を押し始める。しかし、互いに有効打は取れなかったようだ。どっちが優位か決めにくいが、敢えて言うなら後半良い右を当てた足立だろうか?
9R 中盤足立の右5連打に古橋たまらずクリンチ。しかし、終盤左右の連打で今度は古橋が足立をロープに詰める。しかし、その際頭を低くする足立を上から抑え込み押しつぶしてしまった。当然スリップ判定の上、注意を受ける古橋。いかんせん印象が悪い。
10R ロープに摘めて古橋連打。しかし足立も同じぐらい返す互角の展開。そのまま試合終了。判定は難しいと思ったが、やっぱりジャッジも難しかったらしく、結果は97−94で一人が足立を挙げたものの、隣で見ていた足立の知り合いらしき人がつぶやいたとおりドロー判定となった。
★ジェフリー・オニャテ(フィリピン)×戎岡彰(明石)
戎岡のコメントはいつもと同じ「滅多打ち」。公言通り試合を終わらせる事が出きるのだろうか? リングサイドには「兄貴」辰吉の姿が見える。弟分の試合とはいえ、本当にまめな人だ。
1R ものすごく静かな展開。会場もほとんど声が聞こえない。コーナーが色々言わないのも静かな理由のようだ。オニャテはたまに凄い大振りをしてバランスを崩すシーンも見える。
2R 戎岡は相変わらず防御は良い。右のボディーが何度かオニャテの脇腹にヒット。顔面にも当たっていたようで、オニャテは目をカットした。
3R 本当に静かだ。展開はオニャテを戎岡が追うもの。たまにオニャテが大振りでバランスを崩すのだが、根本的にバランスが悪いのだろうか?
4R パンチを打った後戎岡につめられたオニャテの足が絡まりスリップ。その後、戎岡が詰めるが、突然試合がストップする。オニャテの出血が酷くなったのかと思ったら、止められたのはなんと戎岡の方で頭から血が流れており、そしてすぐさまレフェリーが両手を交差した。動脈が切れているらしく血が止まらないと判断したらしい。JBCルールにより1分43秒、テクニカルドローとなった。説明はなかったがドローになったということは、バッティングによるものだったのだろう。試合はこれからだったというのに、試合を止められてしまった戎丘が観客に向かって「ごめん」と言わんばかりに両手を合わせて頭を下げたのが印象的だった。
えっと、今日はものすごく試合が終わるのが早かったですね。1試合飛んだのもありますが、長丁場の8回戦と10回戦1つが早々に終わってしまったのが大きかったですね。1時に始まった試合が終わったのは、何と3時半前でした。せっかく1万もの大金を払っているのですから、もう少し見たかったですね。
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