キーボードへのこだわり


 私はキーボードマニアです。と言っても、ピアノの鍵盤が好きなわけではなく、ましてや同名のゲームともなんの関係もありません。もちろん、パソコンのキーボードのことです。
 仕事柄、そして趣味の関係でキーボードを触らない日など存在しません。急ぎの仕事が入ってきた時は気が狂ったかのようにキーボードを叩く毎日が続き、休みの日にはゲームやチャットでカチカチ……。そんな事を繰り返してきたせいか、少しでも根詰めてキーを叩くと、すぐ
筋肉疲労を起こして打てなくなる体質になってしまいました。スポーツなどの筋肉疲労に対し適切な処理を行わずに放置しておくと慢性化するそうですが、まさにその状態。(ーー;)
 そう言う体質ゆえか、いつのまにか負担を減らすために道具にこだわりを見せるようになっていました。特に、両手を駆使するキーボードに対してはかなりこだわりが強く、「気に入らない」と
週に4枚も買いなおした事もあるほどです。(^^ゞ

 キーボードほど選び難い物は存在しません。他のパーツならスペック表の意味を知って入ればカタログで選ぶ事が出来ますが、キーボードだけは触ってみないことには……いや、
触っても判らないことが多いです。
 実際に店頭で並んでいるキーボードを選んだみたことはありますか? サンプルを並べているところも最近では多く、上から触って見て「あ、こういうの良いなあ」と思うこともあるでしょう。しかし、買って家に持って帰って使って見ると「あれ?」と思う事がしょっちゅうあるのです。
 これには二つの要因が考えられます。まず一つは
「展示品の置いてある棚と机では高さが違う」と言うこと。展示品は立っている客に見やすいよう、低めの位置においてあります。よって、キーを触る時は上から押える形になるのですが、その場合机に座って押す場合より指に体重が乗っているのです。そのため、押して見て「適当な硬さだな」と思って実際使って見ると硬くて打ちにくいという現象が起こるのです。これを回避するには、一度展示品を机と同じ高さに置いてみるか、自分がその高さになるようにしゃがみ込めばいいのですが、机に乗っかっている手首までを再現するのは難しく。完全にいつもと同じ条件下でテストするというのはまず無理なのです。
 もう一つの要因は、
「押されたと認識する個所がキーボードによって違う」ということ。「キーストローク」という専門用語がありますが、これはキーを押し込んで凹む高さのこと。この数字を見れば、キーが深いのか浅いのかは大体判るのですが、奥まで押し込んでいないにも関わらず、「押された」と言うキーボードが存在するのです。酷い物には指を置いているだけなのに僅かな力に反応してしまう物もあります。こういうものを使っていると、一回だけ押しているつもりなのに、キーが「2回押した」と認識して入力文に『っ(ローマ字入力の場合)』が混じるのです。これは、結構なストレスになります。
 これらの二つの要因は実際に自宅のパソコンにつけて見て使ってみないと判りません。これが、
キーボードマニアを生み出す要因となっているのでしょうね。
 ちなみに、未だに「完璧」と言える自分に合ったキーボードには出会っていません。(出会っていないから買い換えるのですが……。)
 要因1のところで少し触れたのですが、高さ以外にキーボードが置いてある距離も違うとキータッチの感覚が狂ってきます。それゆえに「会社で使っているキーボードがいいから」と思って同じ物を買ってきても使いにくいと言う事も発生したり……本当に困ったものですね。(ーー;)

 ところで、今まで触れてませんでしたが、最近はミニキーボードとか言って一つのキーが小さい(通常はキーの間隔が19oだがそれ以下になっている)物や、無理矢理コンパクトにするためにキーの配列を替えているものもあります。これは人それぞれだと思いますが、私は腕を動かす距離が短くなるピッチの狭いだけのものは難なく対応できるようです。どっちかと言えば、指の移動範囲が狭くなるためその分負担が減るので良い具合です。しかし、
キーの配列が違う物だけはどうにもなりません。あまり使わないキーの配置がおかしい程度ならなんとかなるのですが、無理矢理コンパクトにしたがために「ろ」のキーだけが一番下にあったり、上にキーを追加したがために「DEL」の位置が少し下がっている物はとにかくストレスが溜まって仕方がないですね。パソコン初心者ならともかく、キーボードに慣れている人であればあるほど、この違いにはイライラするでしょう。ちょっとでも腕に覚えがあるのならば、迷わず109のフルキーボード、それもキーピッチが19oの物を選ぶべきだと思います。
  今、みるきぃは最近ノートと同じパンタグラフ型(あのひらべったいキーの奴ね)のキーボードにはまっています。あまり押す力がいらないので、ノートパソコンは打ちやすいものが多いんですよね。(例外はありますが……) しかし、ノートと同じタッチで、配列が普通の109キーのデスクトップ用キーボードを探そうとすると案外存在しなかったりします。なんか他のキーボードと区別つけたいのか、微妙に配列が違ったり、微妙にミニサイズだったりします。元がノートなので、メーカーもコンパクトにしなくてはいけないとでも思っているんでしょうかね……。

 さて、以下に私が使っている、及び使った事のあるキーボードのレビューを書き記します。これからキーボードを選ぶ人の参考になれば幸いです。こちらは、今後新しい物があれば追記していく予定です。


FMV-KB322(富士通)
 昔の富士通のパソコンについていたキーボードの一つです。FKB8720という型番で同型の物もありますが、これはOEM元の型番で全く同じ物のようです。
 このキーボードの特性は、『ふにゃふにゃキーボード』と言われるほどに、鍵打感が非常に軽いことです。キートップも他のキーボードに比べると多少低いように思えます。余計な力がいらないので長時間のキー入力でも疲れ難く、それゆえ愛好化が沢山います。私もその一人です。
 商品の流通量が非常に多いので、オークションとかでいつも出まわっているのも特徴のひとつと言えるでしょう。
キーの配列は完全なる109キーボードで、ピッチも一般的な19oで、余計なものがないのも好感が持てます。
唯一の弱点は、中がラバーキャップ(キーボードの下に隠れているゴムのシート)であるがゆえ、長期連用すると劣化してタッチが替わってくると言うこと。同じキーボードがたくさんあると判るのですが、結構個々のキータッチが違い、それによる入力ミスが多発するのです。それがなければ、私がキーボードマニアになることもなかったかもしれません。
 なお、FMV-KB321という型番のキーボードも存在しますが、両者の最大の違いはキーボード上端からファンクションキーまでの距離。FMV-KB321の方がキー一個分ほど広いのですが、この差が何を意味するのかは不明。コンパクトな分、どうせ選ぶならFMV-KB322の方をおすすめします。


6300C JA(BTC)
 現在自宅のデスクトップに使用しているキーボードで、
現時点で最強と思っています。
 パンタグラフ方式を採用した薄型で、その最大の特徴はキー配列やピッチが普通の109キーボードと同じだと言うことです。当たり前のようで、この条件を揃えている商品は非常に少ないのが現状です。
 パンタグラフと言ってもキータッチは非常に様々なのですが、この商品は私が愛用している東芝やNEC、シャープ製のノートに見られる柔らかいキータッチで、
ノートパソコンからパソコンをさわりはじめたという人には最適だと思います。値段も2000〜3000円とお試し価格。海外メーカーと言うことでパーツショップ以外ではまず見かけません(私も手に入れた店以外では見たことがありません)が、見つけた際は是非とも購入をお勧めまします。
 なお、ファンクションキー上部にはインターネット用の戻るボタンやメディアプレーヤー用の再生ボタンなどが付いています。実際の所あまり使いませんが、キー入れ替えソフトとか使えばさらに便利になるかもしれません。
 ちなみに、私の持っている分はキートップが黒い物なのですが、BTCのHPによるとキートップが半透明で、発光するという色物も存在しているようです。

追記:後で色々調べていて知ったのですが、メルコがBKBC-J109SBKという型番で出している商品はどうやら同じ物のようです。BTCがOEM元なのでしょう。値段は少々高いですが、手に入れるのは簡単なようですね。



 ……ほかにも沢山触っていて、売ってしまったりしてないものはともかく、押し入れにも数枚ほとんど使ってないものが埋まっていたりします。(ノートとか含めると10枚以上のキーボードが存在してたりします。) しかし、触り心地悪い物をいちいち引っ張り出してレビューする気にはならないので、この辺で終了します。

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